マレーシア、アンワル元副首相が当選 政界復帰へ 下院補選

マレーシアのポートディクソンで、下院補選での勝利を喜ぶ同国与党・人民正義党(PKR)指導者のアンワル・イブラヒム元副首相(2018年10月13日撮影)。(c)Mohd RASFAN / AFP〔AFPBB News

 刑務所から再び、国会へ――。

 マレーシアの民主化運動のカリスマ指導者、アンワル・イブラヒム元副首相(以下、アンワル氏)は下院補選(13日、マレーシア中部のポーク・ディクソン選挙区)に勝利した。

 15日、国会で就任宣誓式を終え、念願の国会議員に返り咲き、政界にカムバックを果たした(参照「根強いマハティール人気に焦り?アンワル元副首相」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54108)。

 マハティール首相から「2年以内」に首相の座を禅譲されることになっており、次期首相就任へ一歩、前進したことになる。

 マハティール首相は「約束は守る」と強調するものの、禅譲が順調に進むか、マレーシアの新たな船出には未知数な点が多い。

 アンワル氏は、同性愛行為の罪で2015年に有罪判決が下され、服役。国会議員を失職後、約4年ぶりの国政への復帰となった。

 2年以内の禅譲については、今でも「マハティール首相との間で具体的な時期は決められていない」(アンワル氏の側近)。

 そのため、“勇み足”で補選に立候補したのは、「夢である次期首相の座に早期就任できるよう政治的支持基盤と権力の地固めを急いだ」(地元メディア)との憶測が飛び交ってきた。

 夢に一歩近づいたアンワル氏は15日、国会で国会議員復帰後初の記者会見を開き、記者団とセルフィで写真を撮るなど終始、上機嫌だった。