まともな自動車を作るためには、鉄板がまともでなければならない。これは、まともなサプライヤーが存在し、品質管理が行き届いていなければならないことを意味する。

 自動車作りは自動車メーカーの中だけで完結しているのではないのである。

 この鉄板を、左右で合っていないプレス機でプレスする。プレスに使う金型も適切に設計されておらず、異物が掃除されていない。

 プレス機とプレス機の間の移動は、重い鉄板も人力で行う。雑に扱い傷が増えていく。

 鉄板の悪い品質と、プレス工程の悪さの相乗効果で、プレスされた部品は傷だらけである。そして、同じ金型でプレスしているにもかかわらず、何と個体毎に形状が異なるそうだ。

 鉄板の板厚が均一でないことと、金型の設計が悪く金型の中で鉄板が動いてしまうことが原因のようだ。

 プレス部品の形が個体毎に違うので、それらを合わせても正しく合うわけがない。そのうえ溶接冶具もぐらぐらでプレス部品を固定できないので、さらにゆがんでいく。

 ここで、左右で形が違うのが目で見て分かるような車体ができる。

 そもそも、車の設計自体が不適切で、作るときにどこに合わせてどう固定していくかということが考えられていない。

 自動車は製造部門だけ努力してもダメで、設計もまともに作れるような設計になっていなければならない。