運動直後が効果的! 糖質補給でグリコーゲンの回復を

運動後の栄養補給の考え方(前篇)

2018.10.12(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要
東郷将成(とうごう・まさなり)氏。立命館大学総合科学技術研究機構専門研究員。管理栄養士。博士(食品栄養科学)。酪農学園大学で管理栄養士、北海道教育大学で修士(教育学)を取得後、病院の管理栄養士として勤務し、運動選手の栄養サポートを実施。2018年、酪農学園大学大学の博士課程において「高強度運動後の早期回復を目指した栄養補給に関する研究」で博士号を取得。専門分野はスポーツ栄養学、臨床栄養学など。

東郷 糖質と脂質の消費割合は呼気からの酸化量で判断されますが、原則として運動でのエネルギー消費には、主に糖質が利用されます。

 一般的に、運動強度が低い運動を長時間することで脂質の利用される量が高まるといわれていますが、脂質は100%利用されるわけではなく、糖質は必ず利用されることから、運動時には糖質が体内に貯蔵されていることが重要であるといえます。

――運動に糖質が利用されるということですが、では、糖質は身体の中でどのように存在しているのでしょうか?

東郷 主に、筋肉に「グリコーゲン」という形で貯蔵されています。運動することにより、エネルギー源として貯蔵されていた筋グリコーゲンが利用されていきます。特に長時間の激しい運動を続けていると筋グリコーゲンは枯渇していくので、減少したこのエネルギー源を回復させる必要があります。

――どうすれば、筋グリコーゲンの量は回復するのでしょうか?

東郷 回復を促すには、食事などの摂取で血糖値を高めることです。血糖値が高まると、インスリンというホルモンの分泌が促進されます。インスリンは、血液の中の糖を筋肉に取り込む働きをします。これにより筋グリコーゲンの量が回復します。

 つまり、運動後の食事摂取の大きな目的は「減少あるいは枯渇した筋グリコーゲンの量を回復させる」ということなのです。

運動直後からの糖質“チョビチョビ”摂取も効果的

――運動後、筋グリコーゲンの量を回復させるには、どのように食事をすればよいのでしょうか?

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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