原油市場はいつ「供給過剰」に気づくのか

バブルの様相を呈する中、無視されている「悪材料」

2018.10.12(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54347
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 米国から再三増産を要請されているサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は10月3日、「10月の原油生産量を日量1070万バレルにまで拡大し、11月にはさらに増産する」と語った(同国の過去最高は2016年11月の日量1072万バレル)。サウジアラビアは生産能力(約1200万バレル)を増強するため、200億ドルの投資を行うことも表明した(10月4日付OILPRICE)。

 OPEC全体の原油生産量も堅調である。ロイターの調査によれば、9月のOPECの原油生産量は前月比9万バレル増の日量3285万バレルとなった。イラン(10万バレル減)やベネズエラ(5万バレル減)の減少をリビア(13万バレル増)やアンゴラ(7万バレル増)の増加が上回っている。

 非OPEC諸国の雄であるロシアの9月の原油生産量も、日量1136万バレルと過去最高を更新した。さらにプーチン大統領は10月3日、「日量20~30万バレルの増産は可能である」と述べている。

 9月28日に開かれた主要産油国による「共同閣僚監視委員会(JMMC)」では増産の公約表明がなかったものの、サウジアラビアとロシアは、トランプ政権が5月にイラン核合意から離脱して以降、原油生産量を合計日量100万バレルも増産させている。

 サウジアラビアやロシアと肩を並べる米国の原油生産量も日量1110万バレルと過去最高を更新しており、年末までに同1130万バレルにまで増加するとの予測がある(10月3日付ロイター)。

 しかし市場では供給逼迫感の後退がまったく見られないと言っても過言ではない。

原油価格の上昇がもたらす悪影響

 一方、原油価格の上昇が需要面にもたらす悪影響が指摘され始めている。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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