また、アマゾン・ドット・コムで従業員の最低賃金を時給15ドルに引き上げるジェフ・ベゾス氏の決断が、もっと大きなトレンドの兆候である可能性もある。だが、筆者は疑わしいと思う。

 所得の労働分配率は現在60%と、第2次世界大戦以降で最低となっており、この分配でさえ、ベゾス氏のような人々に偏っている。

 大きな賃上げが、慈悲深くなりたいと公言する大富豪から来るとき、それは制度がうまく回っている兆候ではない。逆に、うまくいっていない兆候だ。

 表向きの統計数字が何を物語っていようとも、金融危機から10年経った今、米国の住宅市場はまだ健全ではない。

 それを言えば、あらゆる債務・資産の価格上昇の陰で、経済も本当の意味で健全ではない。

 実際、利上げを決めたFRBの最近の判断は、始まったばかりの住宅市場下落の背後にあるもう一つの理由だ。利上げは住宅所有の潜在的コストを高めることになるからだ。

 投資家は、11月の中間選挙までに住宅価格がどうなっているか、そして消費者の信頼感が今と同じくらい高止まりしているかどうか、注視していくべきだ。

By Rana Foroohar
 
© The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.