(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年9月24日付)

米国、報復関税で中国、EUなどをWTOに提訴

米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表。米首都ワシントンのホワイトハウスで(2018年3月22日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Mandel NGAN〔AFPBB News

 米国が9月24日、中国からの輸入品2000億ドル相当に対し追加関税を発動した。

 司直の手によって首を絞められつつあるように思える時に、世間の関心を外国へそらす必要がある大統領が挑発的な施策を再び講じたにすぎない、と見るのは容易だろう。

 しかし、その解釈は誤りだ。

 この追加関税は、ドナルド・トランプ大統領率いるホワイトハウスが単独で下した無分別かつ性急な政策決定であるどころか、もっと危険な、長期にわたって影響を及ぼす行動だ。

 これは米国と中国の政治・経済関係の真のリセットであり、貿易戦争というよりは冷戦のように見える状況の始まりなのだ。

 このリセットを支持する動きはトランプ氏の周辺にとどまらず、左派と右派の両方に広がっている。それゆえ、ことは深刻だ。

 大統領は確かに対中貿易赤字のことしか頭にないが、私的な利得のためには取引をするタイプの人物だ。あの中国が、大統領を穏健な立場に寝返らせる方法を思いつかなかったという展開は考えにくい。

 政権内部の経済タカ派はそういうタイプではない。ピーター・ナバロ大統領補佐官(通商担当)やロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表は、大統領とは全く異なる観点から行動している。