ウルトラマン商店街のある小田急祖師ヶ谷大蔵駅

 さて、今回のテーマは「ウルトラマン」である。

 僕自身は実際、ウルトラマンシリーズに触れた経験がない。年齢的にリアルタイムで見ていた世代ではないし、後から興味を持って作品を見たということもない。しかし、「ウルトラマン」というものに対して直接的に関心を持っていなくても、本を通じて「ウルトラマン」と関わることがあった。

 最初に紹介する『ウルトラマン誕生』は本記事を書くために意識的に読んだが、他の2冊については、「ウルトラマン」への興味から作品に手を出したわけではない。関心を持っていなくても「ウルトラマン」に関する話題が届く。その事実こそが、「ウルトラマン」というヒーローが、日本という国にしっかりと根づいている証左だ、と僕は感じる。

実相寺昭雄 『ウルトラマン誕生』

 実相寺昭雄というのは、ウルトラマンを見ていた世代の人にはきっと馴染み深い名前なのだろう。ウルトラシリーズの第一弾「ウルトラQ」では「脚本家」として関わり(カッコに入れたのは、彼が書いた脚本は結局使われなかったから)、その後監督としてウルトラシリーズに参加することになった人物である。