高血圧は “静かなる殺し屋” と呼ばれています

血圧は突然死を予知する重要な指標です

(神村 龍二)

血圧は高くなるにつれ、徐々に脳や心臓にダメージを与えます。そのため、高血圧を放置していると、いずれ脳卒中や心筋梗塞を発症し、最悪の場合は突然死を招く確率が高くなります。家庭血圧を毎朝記録し、その値が125/85mmHgを超えてきたら、病院を受診してきちんと治療を受けることが、将来の突然死を防ぐことになるのです。

 あなたは、自分の血圧値を知っていますか?
将来、突然死が起こるリスクを血圧値で評価できることを知っていますか?

 血圧は高くなるにつれ、徐々に脳や心臓にダメージを与えます。そのため、高血圧を放置していると、いずれ脳卒中や心筋梗塞を発症し、最悪の場合は突然死を招く確率が高くなります。

 厚生労働省の「健康日本21」によると、収縮期血圧(最高血圧)が10mmHg上昇すると、脳卒中の危険度は約20%、狭心症や心筋梗塞(虚血性心疾患)の危険度は約15%増えると言われています。

 このように、血圧値は脳卒中や心筋梗塞の発症リスクを評価できる重要なバロメーターですから、自分の血圧値を知ることはとても大切です(図1)。特に35歳を過ぎて、自分の血圧値を知らないことは非常に危険です。人間は30歳を過ぎると健康面では下降領域に入り、加齢とともに血管は老化して硬くなり、誰でも血圧は徐々に上昇していくからです。

 

動脈硬化の原因として最も危険なのは
コレステロールではなく、高血圧です

 日本人の死因の第2位は心臓病、第3位は脳卒中です。また、慢性腎臓病(CKD)が中高年に多いことも、最近、大きな問題となっています。

 これらの病気は、ほとんどが血管の病気で、その主な原因は動脈硬化です。例えば、心臓の血管が動脈硬化を起こすと狭心症や心筋梗塞になり、脳の血管に動脈硬化が起こると脳卒中になり、腎臓の血管に動脈硬化が起こるとCKDになるのです。

  動脈硬化の原因(危険因子)として、一般的によく知られているのはコレステロールです。その他、糖尿病や喫煙なども動脈硬化の危険因子と言われていますが、最も危険なのは高血圧なのです。

 例えば、まったく危険因子がない人と比べて、コレステロールが高い人(高コレステロール血症)が、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を発症する確率は約1.76倍ですが、高血圧ではなんと5.68倍になるのです。

 欧米では高コレステロール血症が虚血性心疾患を発症する最大の危険因子ですが、日本人にとって最も危険なのは高血圧なのです。しかし、高血圧には症状がほとんどありません。そこで、高血圧は“静かなる殺し屋 Silent Killer”と呼ばれているのです。

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