「22年間首相を務めた老練な宰相政治家のマハティール首相だからできたこと」と実績を示すマハティール氏を高く評価する国民の声は大きく、支持率も80%前後を維持している。

 約40年前から「ルックイースト政策」で日本の勤勉さや規律を国民に学ぶよう呼びかけてきたマハティール氏は、政権交代以降もそのモデルを自ら示してきた。現地で取材する筆者もその勤労、勤勉ぶりには舌を巻くほどだ。

 「就寝は夜中の3時ごろ。朝7時には起床する」と話すマハティール氏は、政権交代以来、ごく最近まで土日返上で政務に明け暮れている。

 そのうえ、国内問題を抱えながらも、日本への2度の訪問を含め、インドネシア、中国など外遊にも精力的に出かけている。

 8月にはアジア軽視のトランプ政権下にありながら、米国のマイク・ポンペオ国務長官が米政権主要閣僚で初めて政権交代後のマレーシアを訪問し、マハティール首相と会談。首相に返り咲いた同氏に祝意を伝えた。

 ポンペオ長官は、自身のツイッター(https://twitter.com/secpompeo)でも「マレーシアよ、よくやった!」と政権交代の偉業を祝福した。

 さらに、マレーシアの街中のクリニックの表玄関には時折、「93歳の首相が老体に鞭打って祖国を救おうとしているんだ。安易な“病欠”の証明書を求めないように」との張り紙を見かける。

 南国気質の労働慣習を戒め、93歳の超高齢にもかかわらず「不眠不休」で自らの身を削るマハティール氏を見習えというわけだ。

 マハティール人気は根強い。そのため、選挙公約である「2年以内の禅譲」が、国民の揺るぎない支持により状況が変ってきている。

 マハティール氏もこうした国民の支持を背景に、「公約を果たすには5年が必要。国民に求められれば、可能な限り首相職を務めてもいい」と次期総選挙まで続投も可能であるかのような発言も見られる。