野口英世と貞操教育

 ここで名を挙げるべきは、ルイ・パスツール(1822-1895)であり、ロベルト・コッホ(1843-1910)であり、また野口英世(1876-1928)だと思います。

 パスツールとコッホは、病原菌という存在を特定し、今日に至る免疫療法の基礎を確立しました。

 1860年代、パスツールは、それまで唱えられていた微生物の「自然発生説」を全面的に否定し、発酵や腐敗などの現象には原因となる存在があることを主張します。

 続いて1870年代以降、コッホは様々な病原体を確定し、それまでわけが分からなかった「病気」というものが、病原体の感染などによって引き起こされる、基本的なメカニズムを確立します。

 パスツールはノーベル賞が制定される以前に逝去しましたが、コッホは第5回ノーベル医学生理学賞を「結核菌の発見」で授与されています。

 確かに、死に至る病でありながら、かつてその原因が分からなかった結核の正体を明らかにした仕事はまさに偉大なものです。

 しかし、コッホもパスツールも、単に治療に有用な病原体の確定などの業績があるにとどまらず、細菌学という学問そのものを樹立した莫大な業績こそが本来、評価されるべきです。人類の誇る碩学と言うべきでしょう。

 コッホよりも2世代ほど下にあたる野口英世の仕事は、さらに進んだものになります。