北方領土問題の速やかな解決の可能性は低い、プーチン大統領

ロシア・ウラジオストクで日ロ首脳会談後の共同記者会見に臨む安倍晋三首相(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右、2018年9月10日撮影)。(c)Kirill KUDRYAVTSEV / AFP〔AFPBB News

 安倍晋三首相がウラジオストクで開催された「東方経済フォーラム2018」に出席し、主催者のウラジーミル・プーチン大統領ならびに東方経済フォーラムに出席した中国の習近平主席との首脳会談を行った。

 東方経済フォーラムは、2015年以降、毎年ロシア政府が主催し、ロシア極東地域への外国からの投資を促すためにウラジオストクで開催されている国際会議である。プーチン大統領にとっては、樺太や千島列島を含んだ極東ロシアの経済を活性化させるための極めて重要な会議である。

 安倍首相はこの国際会議に毎年欠かさず出席しており、顔役ともいえる存在になっている。ロシアとの平和条約締結に向けて経済協力を推進していくことは、日本にとっても欠かせないステップである。しかしながら、経済協力は経済協力であり、外交は外交であり、防衛は防衛である。

超巨大軍事演習をシベリア、日本海で実施

 ロシアは東方経済フォーラム2018と並行して9月11日から15日にかけて大規模軍事演習「ヴォストーク2018(VOSTOK-2018)」を実施している。

 ヴォストーク2018は、1981年に15万名の将兵が参加して実施された大規模軍事演習「ザパド1981(ZAPAD-1981)」以来最大規模の軍事演習である。ロシア軍の全ての空挺部隊を含んだおよそ30万名のロシア軍将兵、900両の戦車をはじめとする36000両の各種車両、1000機の航空機などが参加して実施されている。