・ジョージ・ワシントン大学がダライ・ラマの講演を計画し、ウィスコンシン大学が台湾政府代表の招待を計画した際、中国人外交官がそれぞれに激しい抗議を繰り返した。これは「苦情」や「圧力」の実例である。

・メリーランド大学がダライ・ラマを招いたことに対して、中国側は同大学への中国人留学生派遣を停止した。カリフォルニア大学サンディエゴ校がチベット関係者との交流を進めたことに対しては、同校への中国政府系学者の公式派遣を停止した。また、中国側は米国の学者たちに対する脅しの手法として、中国への入国ビザの発給を拒否することを示唆する。これらは「報復」の実例である。

・ウィスコンシン大学のエドワード・フリードマン教授が、中国政府が望むような内容の本を2万5000ドルの報酬で書くことを中国側から勧められた。これは「懐柔」の事例である。

・米国の大学などで中国関連の学術テーマを専攻する教職員のなかには、中国政府が嫌がることを表明するとさまざまな形で報復や非難を浴びる危険性を恐れて、本来の意見を自分の判断で抑えてしまう人たちも少なくない。これは、米側学者たちによる「自己検閲」の事例である。

 同報告書は、米国の官民や各大学が一体になって団結し、この現状を変えなければならないとして、具体的な政策も提言していた。

 こうした調査結果が学術研究として公表されるようになったのは、米国側の官民での対中関係の見直しと中国への認識の硬化が進んでいることの反映だともいえよう。