(英エコノミスト誌 2018年9月8日号)

過剰債務や政治問題、中国「一帯一路」で膨らむリスク

ケニアの首都ナイロビで、大統領の視察を前に鉄道線路の脇に立つ中国人労働者たち(2018年6月23日撮影)。(c)AFP PHOTO / Yasuyoshi CHIBA〔AFPBB News

マレーシアによる「一帯一路」への関与見直しは、他の国々の教訓になる。

 独立以来ずっと政権を担ってきた与党に野党連合が圧勝した総選挙から3か月経った8月のある日。

 93歳にしてマレーシアの新首相になったマハティール・モハマド氏は、北京に旅立った。中国の習近平国家主席に会い、マレーシアはノーと言える国になったと告げるのが目的だった。

 マハティール氏の前任者であるナジブ・ラザク氏は中国に接近していた。ナジブ氏が選挙で敗れた理由は何と言っても、自らが率いた与党・統一マレー人国民組織(UMNO)内部の汚職にある。

 しかし、ナジブ氏が中国と親しい関係にあったことも1つの要因だった。2つの問題は互いに絡み合っていたのだ。

 ナジブ政権のとき、国営投資会社「1MDB(ワン・マレーシア・デベロップメント・ブルハド)」の財務に大きな穴が空いた。

 米司法省の推計によれば、ナジブ氏本人が会長を務めていたこの投資会社からは、内部の何者かが45億ドルもの資金を盗んでいったという(ちょうどその頃、ナジブ氏自身の銀行口座に7億ドル近い入金があった)。

 1MDBがぐらつくと、中国の国有企業が割って入り、1MDBが保有するベンチャー事業の持ち分を次々に買っていった。

 中国との関係はますます深くなった。