ハッカー集団、さらなるサイバー攻撃ツール公開か

オフィスビルに設置された各種ケーブル類。米首都ワシントンで(2017年5月13日撮影、資料写真)。(c)AFP/Andrew CABALLERO-REYNOLDS〔AFPBB News

 近頃ロシアで流行っているものは何だろうか。

 S.U.(スタートアップ)、デジタル、イノベーション・・・。

 こう言い切ってしまっていいか分からないが、少なくともロシアでは政府を中心に「デジタル化」「デジタル経済」の実現に向け邁進している。

 過去を振り返れば、ロシアはデジタル分野で独自の発展を遂げた国でもある。

 西側諸国との交流が制限されていたソ連時代、コンピューターソフト開発、暗号化技術、生体認証技術などで独自の進化を遂げた。現在でもその系譜は脈々と受け継がれる。

 例えば、機密性が高く当局による解読が困難なゆえに当局が国内での使用を禁じようと躍起になっているメッセンジャーソフト「テレグラム」。

 本欄でも大坪祐介氏がたびたび指摘しているようにこれはロシア製で、ロシアのデジタル関連技術の高さを指し示す例は枚挙に暇がない。

 しかし、磨けば輝く原石に恵まれながら、実はロシア全体でみるとデジタル化は必ずしも十分に進んでいない。

 ロシア政府は資源頼みの経済構造の変革の一環として、国を挙げてのデジタル化の推進を掲げている。

 それがどのように進むのかを見通すのは現時点では時期尚早だが、ロシアが向かう「デジタル経済」の方向性を読み解くことは、ロシアの技術を活用する観点も含め、将来的なビジネシチャンスを見出すことにもつながり得る。