ブイヨンも手作り? 手が込んでいた昭和の家カレー

「栄養と料理カード」でたどる昭和レシピ(7)カレーライス

2018.08.24(Fri) 三保谷 智子
筆者プロフィール&コラム概要

鶏骨付き肉。カレー粉を加えるのは火から下してから――昭和48年

1973(昭和48)年3月号。写真の盛りつけに時代を感じる。木をくり抜いた器2つに人数分のカレーとごはんを別々に盛りつけ。パーティーを想定したものだろうか。
拡大画像表示

 鶏骨付き肉をじっくり煮込むので、あっさり好みのお年寄りにも喜ばれると紹介。カレー粉は2回に分けて加えているが、ここまで紹介した4品と異なるのは、カレー粉を加えるタイミングは鍋を火から下しているときにしている点。

 鶏骨付き肉は塩をして油で色づくまで焼き、煮込み鍋に移してカレー粉少量と酒を振っておく。油で玉ねぎと香味野菜を色よく炒め合わせ、火から下ろして残りのカレー粉を加えて混ぜ、バター、小麦粉を入れ、粉が油を吸うまで混ぜ合わせる。これを鍋にあけてスープを注ぎ、煮立ったらアクを除き、トマトピュレとにんじん、じゃが芋を加えてさらに煮る。塩で味を整える。薬味は4種類。

カレー粉から作る? カレールーで作る? 外食で楽しむ?

 筆者はカレーを、市販のカレールーで作る。もちろん、時には外食でカレーを楽しむこともある。カレー専門店もあり、各地に本場のインドやタイのカレーを食べられるお店がある。いつもとは違った味わいも食べ方も楽しむこともできる。

 レトルトカレーにまで目を向けるとさらに広がる。「〇〇ホテルの特製カレー」「海軍カレー」などのご当地カレーまで出そろっている。これらを味わうのも楽しい。そしておいしい。

 カレー文化は私たちの生活に根づいているとつくづく思う。そうした「日本のカレー」の支柱のひとつが「家で作るカレー」であることに間違いはないだろう。レシピの変遷とともに「家カレー」は発展を遂げ、カレーのひとつのジャンルを担っているのである。

いかがでしたか?
JBpress をブックマークしましょう!
Twitterで @JBpress をフォローしましょう!
Facebookページ に「いいね」お願いします!

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る

三保谷智子(みほやともこ)

栄養と料理』元編集長。2011年4月から香川昇三・綾記念展示室勤務。学芸員。

東京都出身。1977年立教大学文学部史学科卒業後、香川栄養専門学校栄養士科(現 香川調理製菓専門学校)へ進学、「栄養士」の資格を取得。その後、1979年女子栄養大学出版部雑誌編集課に入職、約30年『栄養と料理』の編集に携わる。1988年より2011年まで、10年間編集長を務める。途中、同部マーケティング課、書籍編集課に在席。

独立行政法人国立健康・栄養研究所外部評価委員。「食生活ジャーナリストの会」会員、NPO法人「野菜と文化のフォーラム」会員、NPO法人「くらしとバイオプラザ21」理事。現在、『栄養と料理』で連載「レシピの変遷シリーズ」を執筆中。


食の万華鏡

食の安全に対して国民の関心が高まっている。今後、安全で美味しい食の供給国としての日本を考えた時にもこの問題は重要になる。食の安全の話題を中心に、食トレンド、食品マーケットなど、食にまつわる様々なテーマを取り上げる。