(英エコノミスト誌 2018年8月11日号)

イラン、米国をICJに提訴 「経済制裁は違法」

イランのモハンマドジャバド・ザリフ外相。テヘランで(2018年7月16日撮影)。(c)AFP PHOTO / ATTA KENARE〔AFPBB News

制裁再開はダメージを及ぼすが、今後の計画は誰も持っていない。

 イランとの核合意の交渉には2年かかったが、それを無効にするにはペンを数回動かすだけで事足りた。

 米国のドナルド・トランプ大統領は8月6日、イランの自動車産業、金(きん)の取引、米ドル入手などに関する制裁を復活させる大統領令に署名した。

 2015年に調印された、核開発プログラムの制限と引き換えに制裁を解除するイラン核合意から撤退するという選挙公約を守った格好だ。

 制裁再開は先方にダメージを与える。ただし、それ以外の成果をもたらしてくれるか否かは、議論の余地がある。

 選挙戦で掲げた公約に反し、トランプ氏が合意を一方的に「破棄」できるわけではない。この合意には、米国のほかに英国、フランス、ドイツ、ロシア、中国が署名している。

 5カ国すべてが核合意は機能していると話しており、イランの合意遵守を査定する国際原子力機関(IAEA)も、この評価を是認している。

 合意を維持する努力の一環として、欧州連合(EU)は、域内の企業に制裁に従わないよう指導し、米国の行動によって生じた損害を取り返すために訴訟を起こすことを認めている。