(英エコノミスト誌 2018年8月11日号)

トルコ大統領が米批判 「牧師とNATO同盟国を引き換えにしている」

トルコ東部のウニエで演説したレジェプ・タイップ・エルドアン大統領。同国大統領府提供(2018年8月11日撮影)。(c)AFP PHOTO / TURKISH PRESIDENTIAL PRESS SERVICE / CEM OKSUZ〔AFPBB News

米国による制裁でトルコ経済が我慢の限界に達する恐れがある。

 不正行為を暴露したロシア人弁護士が獄中で亡くなったことについてロシア政府当局者の責任を問う「マグニツキー法」を米連邦議会が2012年に可決したときに、そして同法を汚職や人権侵害に関与した外国人にも適用するようにしたときにも、同法が北大西洋条約機構(NATO)に加盟する同盟国の政府に対して使われることになると想像した議員は、ほとんどいなかった。

 ところが、まさにその通りのことが8月1日に起きた。米国人牧師の長期拘束に関与しているとの理由で、トルコの内務大臣と法務大臣の資産を米財務省が凍結したのだ。

 案の定、トルコはこれに反撃し、ドナルド・トランプ大統領の閣僚2人に制裁を科すと発表した。

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を含む双方が、危機を脱する方法を探すと示唆したものの、市場はそうは思っていないようだ。

 トルコの通貨リラは米ドルに対し、6日連続で史上最安値を更新した(注1=この記事が出た後にもリラは大幅に下落している)。

 トルコ国債の利回りも新高値に達しており、トルコ経済そのものが危機に陥りそうな雲行きだ。

 つい2週間前、トルコと米国は、数々の厄介な問題を打開する道を開いていたかもしれない合意を交わす寸前だった。