ハンギョレ新聞の「冷静な」分析

 サムスンの発表に対して、韓国メディアは概ね肯定的に報じている。国内に投資して雇用を増やすというのだから、経済に対する影響がプラスであることは間違いない。

 だが、その効果となると、不透明だ。

 経済紙や保守系の全国紙はこぞってサムスンの発表をきわめて前向きに報じた。ただ、進歩系の「ハンギョレ新聞」は、少し違う評価をした。

 180兆ウォンという投資額について、「サムスン電子は2015~2017年に140兆7000億ウォンを投資した。他のグループ企業を合わせると150兆ウォン程度と見られる。過去3年に比べると30兆ウォン、年間10兆ウォン程度の増加だ」と述べ、「破格の投資」という他紙とは異なる評価をした。

 さらに、4万人の雇用についても「これまで毎年9000人を新規採用してきた。今後3年間でも2万5000人を採用する計画だった。これより1万5000人多いが、このうち8000人は4月に直接雇用に転換したサムスン電子サービス協力会社の社員で、これを除くと採用は3年間で7000人増やす水準だ」と報じた。

これまでも目に見える成果はなかった

 もっと本質的な指摘もある。韓国紙デスクはこう話す。

 「これまでも政権は、財閥のトップや実務責任者を集めて投資や雇用計画を発表させた」

 「今回も、SKや現代自動車、LGに続いてサムスンの発表だった。発表したときは、大きな数字で驚かされたが、何年経っても、雇用は改善しない。新規事業も出てこなかった」

 そもそも、政府が、財閥に、投資や雇用拡大を要請しても効果は限定されるということだ。