サムスンは、韓国内でスキャンダルにまみれ、社会からも激しいバッシングに遭っているのだ。

 2016年に表面化した朴槿恵(パク・クネ=1952年生)前大統領がらみの一連のスキャンダルでサムスンは「主犯」として登場する。

李在鎔副会長、最高益でも悪夢の日々

 前大統領の長年の知人の娘に高額の馬を購入したり、この人物が設立にかかわった財団意向額の支援供与をしたことが「賄賂」だとして、サムスングループの総帥である李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)サムスン電子副会長は起訴された。

 1審で実刑判決を受け、1年間拘置所生活を送った。2審で執行猶予付きの有罪判決を受けて経営復帰を果たしたが、今後、大法院(最高裁に相当)での審理が待っている。

 2017年春に誕生した文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)政権は、「経済民主化」を掲げ、サムスンへの圧迫を強める。労働組合の弾圧、バイオ関連企業での粉飾決算などで当局の捜査、調査を受け、経営にも深刻な影響が出ていた。

 サムスンは、朴槿恵政権時代の誤りに積極的に加担したばかりでなく、様々な不正行為を働いている。こんなイメージが「財閥批判」論者や進歩系メディアで連日大きく報道された。

 2017年5月の政権発足以来、文在寅大統領は、サムスンとは距離を置いてきた。

サムスンと距離を置いた文在寅政権

 経済民主化や財閥改革を掲げている政権としては、予想通りの出方だった。

 文在寅政権が掲げた「所得主導成長論」は、財閥と二人三脚で経済成長を目指すという従来の政権の経済政策と一線を画す内容だった。

 減税、規制緩和などで財閥が事業をしやすい環境を作る。財閥はこれに応じて投資や事業を拡大する。それに牽引されて韓国経済全体が成長するというシナリオだった。