そこで本稿では、まず、サッカージャーナリストたちが西野ジャパンをどう評価したかを紹介し、それに対する筆者の意見を述べる。次に、西野ジャパンの戦いは、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」であったことを論じる。そして、これは、2012年に日本唯一のDRAMメーカーだったエルピーダを倒産させた坂本幸雄社長(当時)を髣髴させることを述べたい。

サッカージャーナリストたちの評価は?

『サッカーダイジェスト』(7月26日号)では、「アンケート企画 “世界16強”の評価&日本代表の強化策」というコラムで、7人のサッカージャーナリスト等に、3つの質問を行い、その回答を掲載している。その3つの質問とは、以下の通りである。

Q1 ロシアW杯での西野ジャパンの出来は?(100点満点)
Q2 今後W杯でベスト8入りするために最も必要なことは?
Q3 次期監督は日本人が相応しいか?

 7人の回答者の名前とそれぞれの回答は、以下の表のとおりである。

“世界16強”の評価&日本代表の強化策
(出所:『サッカーダイジェスト』2018年7月26日号、20~23ページ)

(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の表をご覧いただけます。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53773

 Q1に対する回答では、清水氏だけが辛目の70点をつけているが、それ以外の6人は概ね高い評価をしており、7人の平均点は88.4点になった。その中でも、西部氏は100点満点、浅田氏も99点をつけており、サッカージャーナリストたちの多くは、西野ジャパンを高く評価しているということが分かる。

 他の雑誌でも、1次予選を突破して、決勝トーナメント1回戦でベルギーをあと一歩のところまで追いつめたことを高く評価しており、上記アンケート記事と傾向は変わらない。

 しかし、筆者は、このような高い評価に大きな疑問を感じている。

 唯一、辛口のサッカー評論家で知られるセルジオ越後氏が、『サッカーダイジェスト』(7月26日号)のコラム「天国と地獄」で、次のような意見を言っていることに大いに共感する。

「4戦して1勝1分2敗という成績は、褒められたものではない」「その1勝も開始数分でPKを獲得し、数的優位に立つ“運”があった」「しかし、その後の3戦で1勝もできなかったという事実は”運“がなければ勝てないことを証明してしまった」「しかも大島や遠藤などリオ五輪世代を一度もピッチに立たせなかったため、将来への投資もできなかった」「“よく健闘した”では片づけられない結果であり、収穫はあまりにも少なかった」

 では、筆者の意見を述べよう。