(英エコノミスト誌 2018年8月4日号)

長期金利が初のマイナス、東京債券市場

上空から撮影した日本銀行本店(2015年5月11日撮影)。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO〔AFPBB News

経済的な重要性は低下したものの、その貯蓄超過は世界中で感じられている。

 1979年夏。ジョン・アップダイクのシリーズ小説の主人公で「ウサギ」と呼ばれているハリー・アングストロームは、ペンシルベニア州ブリュワーで自動車販売店を経営している。

 周囲には衰退のムードが漂っている。地元の繊維工場は閉鎖された。ガソリン価格は急騰している。駐車場には下取りされた車が何台も並んでいるが、デトロイトで組み立てられた中古車を欲しがる客はいない。

 しかし、ウサギは落ち着いている。彼が経営しているのはトヨタ車のディーラーだからだ。

 売り物の車は燃費が最も良く、保守点検コストは最も安い。購入する顧客には、これで手持ちのドルを円に替えることになるんですよ、と言っている。

 アップダイクの『Rabbit is Rich(邦訳:金持になったウサギ)』を読むと、米国が経済大国のライバルの台頭に初めて不安を覚えた時代に思いが及ぶ。

 日本はすでに、繊維、家電、鉄鋼などの産業で首位の座を次々に米国から奪い取っていた。自動車産業も攻め落とす勢いだった。

 今日、日本経済の地位はずいぶん低下している。世界第2位の経済大国(そして米国の通商タカ派の主たる標的)の座は中国に譲った。しかし、ある分野では、まだ影響力を維持している。