だが、すぐに「ドンスコイ号」に対して疑惑が持ち上がった。

 「150兆ウォン分の金塊は3300トンの重さになるが、6000トン級のドンスコイ号にそんな大量の金塊があったのか、しかもドンスコイ号は輸送船ではなく軍艦である」

かつて日本も引き揚げに失敗

 仮に3300トンの金塊があったとしても、ドンスコイ号は1916年に日本が引き揚げようとして頓挫している。

 その後、1981年に韓国のトジン実業が探査に失敗し、1999年に東亜建設という会社も探査に乗り出し引き揚げに至らないまま会社が倒産した。それだけ引き揚げることが難しい。

 こうした疑惑を払拭するためか、シンイルグループは、7月26日に記者会見を開いた。

 その席で、設立されて50日しか経っていない「シンイルグループ」から「シンイル海洋技術」に社名を変更したと発表し、ドンスコイ号と思われる船の動画を公開した。

 しかし、「金貨や金塊があるかどうか把握できない状況」と言い、「金塊があっても10兆ウォンほどの価値になるのではと思っている」など、言葉を変えた。