摂らなさすぎにも注意、1日に必要な食塩の量は?

適度な塩分摂取で夏を乗り切る

2018.08.03(Fri) 佐藤 成美
筆者プロフィール&コラム概要

「汗や尿、便とともに放出されるナトリウムの量は食塩の摂取量に依存していました。さらに、ナトリウムの摂取量が少ないと、カルシウムやマグネシウムが体から失われるということも明らかになったのです」と西牟田さんは続ける。

 カルシウムは骨や歯の構成成分としてよく知られるが、マグネシウムも骨に多く含まれ、筋収縮や神経興奮の伝達、さまざまな代謝に必要なミネラルである。西牟田さんは、日本人の食生活において、マグネシウムの摂取量が減っていることを指摘している。その原因にマグネシウムを多く含む緑黄色野菜や海藻の摂取量が減っていることを挙げているが、さらに過度の減塩が吸収を低下させることを示した。

「塩は、摂りすぎにも不足にも、注意が必要な栄養素です。ただ、実際にどのくらい必要なのかは研究者によって異なっており、国民の健康を守るためにも、科学的に結論を出す必要があります」と西牟田さんは言う。

単独でなくミネラルバランスを考えることも重要

 ナトリウムとカリウムは、どちらも体液の浸透圧の調節に関わるミネラルで、体の機能を正常に保つために、これらがバランスをとることは知られている。これに加えて、ナトリウムは、カルシウムやマグネシウムとも体内で相互に影響しあっていることが示された。

 ミネラルは多すぎても少なすぎても健康によくない。これまで、ナトリウムをはじめとして、ミネラルの摂取目標量や必要量などは個々のミネラルごとに示されてきたが、ミネラルのバランスを考えることも重要だ。最近は特定のサプリメントの摂取により、ミネラルのバランスが乱れ、過剰障害が起こっている例もあるという。

 まだ暑い日は続きそうだ。適度に塩分を摂取して今年の夏を乗り切りたい。

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サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。著書に『「おいしさ」の科学』(講談社ブルーバックス)『お酒の科学』(日刊工業新聞社)など多数。


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