(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年7月30日付)

毛沢東の言葉で民主化推進…香港の活動家が奇策に出る

香港にある中国政府の出先機関事務所近くに掲げられた横断幕。「一党専政を廃止せよ」(左)、「民主政治を実行せよ」という毛沢東の言葉が記されている(2018年5月15日撮影)。(c)AFP PHOTO / Anthony WALLACE〔AFPBB News

 若き独立活動家の陳浩天氏と同氏の率いる香港民族党の小さな支持者層は、新興超大国の領土の一体性に対する深刻な脅威には見えないし、聞こえもしない。

 このため、北京から任命された香港政府が、「国家の安全」を理由にまだ新しい香港民族党を禁止するという最近の提案は、一部の観測筋にとって、木の実を割るためにジャックハンマーを使うような相当な過剰反応のように見えた。

 だが、北京の観点からすると、半自治権を持つ香港で次第に強まる野党の締め付けと、事実上独立している台湾への対抗は、釣り合いが取れ、正当化されているだけでなく、絶対不可欠な対策でもある。

 中国共産党の幹部らは台湾と香港の民主的価値観を、中国の一党支配、そして中国の独裁的な開発モデルを海外で推進する新たな使命に対する直接的な脅威と見なしている。

 習近平国家主席は毛沢東以来どの指導者よりも大きな個人的権威を手に入れ、「中華民族の偉大な復興」という「中国の夢」をかなえることを約束した。

 この「夢」をかなえるためには、中国を豊かで技術的に進んだ国に変えるだけでなく、北京が中国領土だと主張する台湾を「再統一」することも欠かせない。

 また、1997年の英国からの返還後50年間の「高度な自治」を保証された香港を本土に統合することも求められる。