労働時間も仕事の進め方もすべて自分で決める

佐藤圭吾さん

 かくいう佐藤さんの1日もかなり自由だ。起床は毎朝、5時半。朝食をとり、ランチのお弁当を用意してから自宅を出る。

 ちなみに自宅はキューブから山側に徒歩で20分ほど上ったところにあり、毎日ランニングで往復している。

 会社に着くのは7時30分ごろ。そのまま施設内のトレーニングジムに行き、30分ほど体を鍛えるのが日課だ。

 佐藤さんは見事な逆三角形のボディの持ち主で、体脂肪率は8%以下だという。学生時代にウェイト・リフティングを始めたのがきっかけで身体を鍛えるようになった。

 その後少し離れていたが、35歳になった時に「体力の衰えを感じて」再びトレーニングを開始。スイスに来てからも体型を維持している。

 トレーニングが終わるとシャワーを浴び、オフィスに入るのが8時半。そこから仕事の開始だ。といっても、佐藤さんは研究者ではない。ここでどんな仕事をしているのか。

 「大きな括りで言えば、広報の仕事になります。具体的には、IQOSのことを一般の人に知ってもらうためのパンフレットの制作と、WEBサイトに掲載する情報の翻訳をしています」

 日本で営業の仕事をしていたことからその経験を買われ、一般の人にもわかりやすいパンフレットやWEBコンテンツの制作と翻訳の仕事を受け持つ。

 「ここで行われている重要な実験のデータや技術的な解説を、わかりやすく世界の人に伝えるため、文章の表現やグラフ、表の見せ方、ページ構成に工夫を加えています」

 「また科学者が知ってもらいたいことと、ユーザーが知りたいことにはギャップもありますから、ユーザー目線で作り直しています」

 赴任して半年がたち、パンフレットの方は改訂版が一通り完成し、今はWEBサイトに掲載する記事を18か国の言語に翻訳する仕事がメインだ。