食物繊維量2倍、難消化性デンプン量4倍で「腸の奥」まで届く

 腸内細菌たちに食物繊維というエサをどんどん食べてもらい、増えてもらえば、腸内環境は健全に整っていく。だが、エサとなる水溶性の食物繊維を巡っては課題もある。

「多くは、小腸や大腸の入口にいる細菌たちに食べられてしまい、奥まで届かないのです。大腸の奥、直腸や結腸にこそ腸内細菌が多くいるというのに」

 水溶性食物繊維の種類によっては、大腸の奥まで届くものがあることは知られていた。たとえば「β-グルカン」は大腸の中ほどまで届き、「難消化性デンプン」は大腸の奥のほうまで届くことが知られていた。だが、大腸の入口から奥に至るまで均等に食物繊維が行き渡るような食材は現れなかった。

「消化器内科医として、大腸の奥の直腸で生じる潰瘍性大腸炎・大腸がんなどと向き合っていました。大腸の奥を含む腸管全域に食物繊維を届けて腸内細菌の多様性を増やし、腸内環境を整えなければと思っていたところ、『スーパー大麦』というものの存在を知ったのです」

 スーパー大麦は、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が開発した大麦だ。「とにかく、食物繊維が多く含まれている」と松井氏は言う。この点に「スーパー」が付く理由がある。大麦そのものも食物繊維が豊富な穀物として知られるが、スーパー大麦は一般的な大麦の2倍の総食物繊維量と、4倍の難消化性デンプンの量を含むのだ。

 大腸の入口では「フルクタン」という水溶性食物繊維が腸内細菌のエサとなり、その先についても、β-グルカン、それに難消化性デンプンが、段階的に大腸の奥まで届けられる。

「スーパー大麦がこれほどそれほど腸の奥まで届くとは思っていませんでした。私を含め研究に携わった多くのみなさんが驚きました」