(英エコノミスト誌 2018年7月21日号)

ベネズエラ、インフレ率が年内100万%に IMF予測

ベネズエラ、インフレ率が年内100万%に IMF予測。写真はベネズエラ・カラカスの中央銀行に掲げられた同国の通貨ボリバルの紙幣を描いた垂れ幕(2018年1月31日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / FEDERICO PARRA〔AFPBB News

ハイパーインフレから貯蓄の価値を守るための教訓

 投資を分散させる方法について資産運用会社の最高投資責任者(CIO)に質問すれば、株式にこれくらい、債券にこれくらい資金を投じ、ヘッジファンドかプライベート・エクイティ(未公開株式)にもいくらか振り向けなさいと言われるだろう。

 維持費のかかるビル、鶏のタマゴ、長期保存が可能な牛乳などを勧められることは、まずないはずだ。

 しかし、物価上昇率(%)が年換算で万単位に達しているベネズエラでは、ほかの国なら価値の目減りを恐れて敬遠されるに違いないモノが、実質的な富を蓄える手段になっている。

 経済崩壊に耐えているこの国の首都カラカスで、ビル建設の足場をはじめとする建築ブームの兆しがあちこちで見受けられるのは、このためだ。

 企業には、稼ぎ出した利益を寝かせておいてもインフレで目減りすることがない場所が必要だ。

 比較的小規模なインフレ対策として台頭しているのが「タマゴ経済」だ。少なくとも数日間は、タマゴの方が現金よりも価値を維持できるからだ。

 タマゴは通貨としても便利だ。代金を払うためなら、トランクいっぱいの札束よりも半ダースのタマゴを抱えていく方が容易だ。タマゴで支払ってくれる方がありがたいという業者も多い。

 ベネズエラの惨状から学べる教訓は多々ある。貯蓄をする普通の人々にとってもそうだ。個人の財産管理をめぐる教訓は見過ごされることが多い。