EU、米製品への報復関税を発動 世界経済への影響に懸念

アンゲラ・メルケル独首相とドナルド・トランプ大統領(2018年6月8日撮影)。(c)AFP PHOTO / POOL〔AFPBB News

(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年7月23日付)

 ドナルド・トランプ米大統領が欧州からの輸入車に20%ないし25%の関税をかけた場合、欧州連合(EU)はどう対応すべきか――。

 筆者は経済的な問題についてドイツ人の味方に付くことはあまりないが、この点についてはドイツ人が正しいと思う。EUは慎重にことを進めるべきだ。

 EUが反撃に向けて準備しているという考えには、無謀だが勇敢な「軽騎兵旅団の突撃」のような趣がある。

 EUは貿易戦争に勝てる立場にない。ユーロ圏は現在、諸外国との貿易で、国内総生産(GDP)合計の4%近くに相当する経常黒字を出している。

 それ以上に悪いことに、貿易は加盟国の利害が一致している問題ではない。米国の関税が課されたら、ドイツとオランダはフランスやイタリアより大きな影響を受ける。

 もちろん、強烈な反応の背後にある感情の高ぶりは理解できる。だが、戦略的に物事を考える人なら、どちらが先に怯むか、それはトランプ氏か、割れた欧州理事会か、と問うはずだ。

 EUはドイツの軍事歴史学者カール・フォン・クラウゼヴィッツの言葉を検討すべきだろう。