(英エコノミスト誌 2018年7月14日号)

ロンドンで大規模な反トランプデモ、「赤ちゃんトランプ」バルーンも

英首都ロンドンで、訪英中のドナルド・トランプ米大統領に抗議するデモに参加した人たちと、トランプ大統領をおむつを着けた赤ちゃんに見立てたバルーン(2018年7月13日撮影)。(c)AFP PHOTO / Niklas HALLEN〔AFPBB News

現在の選挙ではもう、民意が政権選択につながらない。

 選挙で投じられた票を権力に変換する制度には、欠陥がつきものだ。英国は強すぎる行政府に、イタリアは慢性的に弱い政権に、そしてイスラエルは小規模ながら高圧的な派閥に悩まされている。

 しかし米国は、民主主義において唯一、「多数派の専制」以上に厄介な悪習に苦しめられている。「少数派の専制」がそれだ。

 その原因は、農村部の有権者と都市部の有権者との分断が進行していることにある。建国の父たちが編み出し、その後継者たちが磨きをかけた選挙制度は、都市部の有権者よりも農村部の有権者の方に大きな影響力を与えている。

 政党が都市部と農村部の両方に味方していた時代には、このバイアス(偏り)は両方の党に影響を及ぼしていた。

 しかし今日では、共和党が農村部に偏った政党になり、民主党は都市部に偏った政党になっている。そのため、共和党支持の票の方が、民主党支持の票よりも価値が高くなっているのだ。

米国版「一票の格差」

 それがもたらす結果は劇的だ。共和党は現在、連邦議会の上下両院とホワイトハウスを支配している。

 だが、2012~16年に行われた3度の上院選挙では、共和・民主の2党に投じられた票のうち、共和党が得たのは46%にすぎなかった。2016年の大統領選挙でも、共和党は49%の得票率で勝利を収めている。