韓国の大統領と韓国最大の財閥のトップ。2人が面談するのは、2017年5月の文在寅大統領就任以降、これが初めてのことだった。

 2人は、開所式の後、「5分間ほど」話もした。

 韓国メディアによるとこの席で、文在寅大統領が「インドでは高い経済成長が続いているが、サムスンが大きな役割を果たしてくれてありがたい。韓国内でも雇用を増やすよう努力してほしい」などと語った。

自分にとってもサムスンにとっても重要な面談

 李在鎔副会長は、がちがちに緊張したはずだ。この最初の面談が、自分にとってもサムスンにとってもきわめて重要になる可能性もあるからだ。

 サムスングループも李在鎔副会長も、2016年後半に朴槿惠(パク・クネ=1952年生)前大統領と長年の知人である崔順実(チェ・スンシル=1956年生)氏の一連のスキャンダルが発覚して以来、苦難の日々が続いている。

 李在鎔副会長は、背任や賄賂罪などで有罪となり、2017年2月から約1年間、拘置所で過ごした。2018年2月の控訴審判決で「執行猶予」がついて保釈にはなったが、まだ大法院(最高裁に相当)での審理が待っている。

 拘置所生活を送っている間に、「経済民主化」を掲げた文在寅政権が登場した。

 すると、サムスングループに対する執拗な調査や捜査が始まった。

 労働組合の結成を組織的に妨害していた疑い、李明博(イ・ミョンパク=1941年年生)政権時代に、李健熙(イ・ゴンヒ=1942年生)会長に「特赦」が出ることを期待して李明博元大統領が実質的なオーナーである自動車部品メーカーの米国での訴訟費用をサムスンが支払った疑い(李明博元大統領は、自動車部品メーカーのオーナーであることも強く否定)、サムスンバイオロジクスの対する粉飾会計の疑い…などが相次いでいるのだ。