また、市販の商品は、下記の5つの作用が組み合わされて作られていますので、用途や目的によって選ぶようにしましょう。

 1. 汗を抑える
 2. かいた汗を吸収して拭きとる
 3. においの元となる菌の繁殖を抑える
 4. 消臭・脱水する
 5. 心地よい香りで嫌なにおいを隠す

 例えば、ワキの汗や汗臭さを抑えるには、制汗作用が高くさっぱりとしていて使用感が気持ちいいスプレータイプがよいでしょう。殺菌作用の強いクリームで皮膚に直接塗るものは、大量に塗るとかぶれや黒ずみなどの肌トラブルを招くことがあります。スプレータイプのデオドラント剤と併用すると、少量でもワキガのにおいを抑えることができます。スポーツや外出先で急に汗をかいたときは、汗のべたつきや汚れをとるシートタイプがおすすめです。

 肌が弱い人で市販の制汗剤が心配な人は、手作りのミョウバン水で代用するとよいでしょう。天然素材なのでかぶれにも安心です。2リットルの水に、薬局で売っている粉末のミョウバン50g溶かすだけで、簡単に作れます。市販のスプレー容器に入れて使ってもよいし、入浴のときにコップ1杯分のミョウバン水を湯船に入れると、全身のにおい消しにもなります。

 あと、制汗剤ではありませんが、裏技として、衣服の内側にイオンを含む消臭剤をスプレーすることで、服そのものを消臭バリアにできます。肌から放出されたさまざまなにおい物質がイオンに触れて化学反応を起こし、無臭化するのです。これはとても効果が高く、体臭医療の分野でも注目されていますので、制汗剤と併用することをおすすめします。

五味常明医師 プロフィール

 ワキガ・体臭・多汗治療などにおいと汗の研究・治療を20年以上前から手がけるにおい治療のパイオニア。一橋大学商学部卒業後、昭和大学医学部で形成外科を専攻後、多摩病院精神科等で自己臭の研究に従事する。患者の心の悩みや心理的状態を理解した上で外科と精神科の両方からケアをする「心療外科」を新しい医学分野として提唱し、患者の心に寄り添って治療を行っている。ワキガの治療では患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。1999年からはケアマネージャーとしてデイケア事業や高齢者介護の現場でのにおいの問題にも注力している。『なぜ一流の男は匂いまでマネジメントするのか』(かんき出版)など、著書多数。