(英エコノミスト誌 2018年7月7日号)

在独米軍の移転・撤退、国防総省が検討か 米紙報道

ドイツ南部のラムシュタイン米空軍基地の入り口(2013年11月6日撮影)。(c)AFP PHOTO / DANIEL ROLAND〔AFPBB News

欧州、米国、そして全世界が憂慮すべき事態

 戦後欧州を築くに当たって、米国はどの国にも劣らない貢献をした。

 1940年代後半から1950年代にかけては、今日の欧州連合(EU)に至る条約の制定と、冷戦に勝利することとなった軍事同盟・北大西洋条約機構(NATO)の創設を助けた。

 こうした支援は慈善心から行われた面もあったが、主として自己の利益に基づくものだった。

 2度の世界大戦に引きずり出された米国は、独仏の敵対関係を消滅させ、ソビエトの脅威に対抗する城壁を構築したいと思っていたのだ。

 そのソビエトが崩壊した1991年以降は、この同盟が新たに解放された東欧諸国に民主主義を根づかせようとした。

 しかし今日、米国と欧州の間には亀裂が入っており、その幅は少しずつ広がっている。7月11~12日にベルギーの首都ブリュッセルで開かれるNATO首脳会議を前にして、ムードは非常に悪い。

 ドナルド・トランプ大統領が、欧州は不誠実であるうえに務めを十分に果たしていないと非難すれば、欧州側も、トランプ氏がやっているのは無神経な破壊行為だとなじる始末だ。

 この後、7月16日にはフィンランドの首都ヘルシンキで、トランプ氏とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の会談が予定されている。