(英エコノミスト誌 2018年6月30日号)

中国・人民元、国際金融市場で存在感増す

中国・人民元紙幣(2014年3月17日撮影)。(c)AFP/Peter PARKS〔AFPBB News

人民元が支配的な地位を得ると読んで賭けているのか、それとも不用意な投資家が罠にかかっているのか。実のところは、どちらでもない。

 ジョン・メイナード・ケインズは1945年5月に戦後の経済について記したメモの中で、英国は世界貿易の主流派に入るよう努めるべきだと論じていた。

 工業だけでなく金融にとっても、世界が活躍の舞台である方が好ましいと主張した。

 「我々は戦前、ポンド圏を築き上げた。これは我々が親しみやすい銀行家だったからであり、小切手を期日にきちんと決済する長年の実績もあったからだ」――。

 英国の経済力がポンドを支配的な地位に押し上げるのに貢献したことには触れなかった。ひょっとしたらそれは、この時代にはもうその経済力が衰えつつあったからかもしれない。

 しかし今日、ポンドが1945年以降に米ドルに取って代わられたのと同じように、これから米ドルに取って代わるのは中国の人民元だろうと考える人が多いのは、中国経済が容赦ない強さを示しているからだ。

 人民元はすでに、国際通貨基金(IMF)が編み出した特別引き出し権(SDR)という準備通貨のバスケットを構成する5通貨の一角を占めている。

 しかも中国は資本の流入に門戸を開きつつある。そして今年は、外国人投資家が中国国債の最大の買い手になっている。