米FDA、リンパ腫治療で2番目の遺伝子療法を承認

フランス南部にある、がんの研究施設(2014年10月10日撮影、資料写真)。(c)AFP/PASCAL PAVANI〔AFPBB News

 前回、製薬企業からの医師支払いについて、全体平均から逸脱した企業(外れ値)に着目しながら考察した(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53377)。今回はさらにその詳細に迫る。

 日本製薬工業協会(以下、製薬協)に所属する71社の2016年の医師支払いの総額は266億円だった。

 これらの支払いは、講師謝金(223億円、84%)、原稿執筆料・監修料(11億円、4%)、コンサルティング料(32億円、12%)に分けられる。

最近流行のウエブ講演会

 目を引くのは講師謝金が医師支払いの84%と圧倒的多数を占めることだ。この結果は、医師を講師として開かれる講演会が、製薬企業の販促活動において重視されていることの表れである。

 最近はウエブベースの講演会も増えている。このようなタイプの講演会は多くの医療機関で配信できるため、1回あたりの宣伝効果が非常に高い。

 一方で、医師にとっても、講演会の講師は同業者に自分の顔と名前を覚えてもらう良い機会である。そのため、製薬企業としても依頼する際の障壁が低くなっていると推測される。

 ではどのような製薬企業において講師謝金が多いのだろうか。

 国内医薬品売り上げ1億円あたりの講師謝金を以下の図1にまとめる。中央値は協和発酵キリンの25万円、最大値はキッセイ薬品工業の57万円、最小値はグラクソスミスクライン の700円だった。

 内資・外資の区別なく、支払いが多い企業から支払いが少ない企業まで満遍なく存在することが分かる。


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