(英エコノミスト誌 2018年6月23日号)

中国、対米輸入「大幅増」で合意 両国が共同声明

米国と中国の国旗(2011年1月17日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / JEWEL SAMAD〔AFPBB News

本格的な貿易戦争になれば、被害が及ぶのは米中両国の経済だけにとどまらない。

 1990年代に、米国と欧州の間ではバナナをめぐる貿易紛争が勃発した。このときは、戦車が出てくる事態に近々なるかもしれないなどと懸念する声は上がらなかった。

 だが、貿易は単なる経済問題ではない。

 実際、世界で最も野心的な自由貿易圏である欧州連合(EU)は、貿易で統合すれば加盟国間の戦争は「単に考えられなくなるだけでなく、実質的に不可能になる」との考えに基づいて創設された。

 中国と米国が深刻な貿易戦争に突入するリスクが高まっているなか、世間の関心はもっぱら「iPhone(アイフォーン)」が値上がりするとか大豆農家が困るといったことに向かっているが、ここにかかっている利害は、そのようなことよりはるかに大きい。

 その規模の大きさと自由の乏しさゆえに、中国の経済的な奇跡は地政学的なストレスを引き起こさずにはいられない。

 米中関係は、相互不信という土台の上に作られている。だが、地政学的なライバル意識は経済の相互依存によって緩和されている。

 ジョークが好きな一部の経済学者は、この両国の結びつきを「チャイメリカ」と評してみせた。