育児休業を4回取得した男性管理職も

 続いてソニーの例を見てみよう。伝統ある大企業であり、エンジニアが社員の約7割、男性が8割以上を占めるソニーでは、育休取得が難しそう……と想像してしまうが、2016年度には男性従業員の51.1%が育児休業を取得したという。

 ソニーの男性の育児休業、育児参画に関する制度設計のコンセプトは、「職場から遠ざけず、働きながら育児ができる環境を拡充する」というものだ。その一環として、2007年から導入したのが一律20日の有給育児休暇制度である。

 これは、男性の育児休暇取得が進まない要因として聞かれる「休職してしまうとその期間無給になるので経済的に厳しい」という声に対応したものだ。育児休職とも併用利用が可能なもので、長期の育休中の経済的支援として月額5万円の育児支援金が支給されるという。

 この有給育児休暇制度を導入してから、男性の育児休業取得率は大幅に上昇した。2015年、2016年も50%以上の人が取得し、うち6割が5日間以上休んでいるほか、中には4回取ったという管理職もいたという。

 また育児休職制度も、子の満1歳到達後の4月15日まで認められている。これは、新年度に保育園に入園した際の短時間の慣らし保育期間が考慮されているのだろう。