イノベーションを阻害する「完璧を求める企業文化」

リーン・アジャイル開発に舵を切って急成長したブラジルCI&T

栗原 雅/2018.6.27

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CI&Tのセザール・ゴンCEO(最高経営責任者)

「最先端のデジタルテクノロジーを積極的に取り込んでイノベーションを起こそうと社内に発破をかけてきたが、いつまでたっても新しい製品・サービスの芽が出てこない・・・」 心の中でそう嘆いている経営者は少なくないだろう。

 一方で、ライバル企業がリリースした新たな製品・サービスがマーケットで急速に受け入れられる状況をみて、「うちだって同じアイデアを持っていたのに・・・」と悔しがっている社員たちもいるのではないか。

 秒針分歩で進化するデジタルテクノロジーや、目まぐるしく変わる顧客の嗜好と行動、いつの間にか台頭して存在感を増す新興勢力などに多くの企業が翻弄されている。そんな中、自ら変革を推し進めることでデジタルトランスフォーメーションの波を乗りこなし、成長を続けている企業がブラジルにある。ITサービス・コンサルティング大手のCI&Tだ。

 システム開発会社として1995年に誕生したCI&Tは2008年、それまで10年余りかけて確立してきた仕事のやり方を捨てた。顧客の要求を完璧に満たすシステムを精緻に作り上げるのではなく、新たな製品・サービスの創出段階から顧客と協働し、リリース後の改良やシステム運用まで支援するよう、ビジネスの位置づけを変えたのだ。その結果、リーマン・ショックもものともせず、売上高にして年平均30%以上のペースで成長してきた。