事実上の在台米大使館、新庁舎が落成 「堅固な米台関係を象徴」

台湾・台北で行われた米国在台協会(AIT)の新庁舎落成式の様子(2018年6月12日撮影)。(c)AFP PHOTO / SAM YEH〔AFPBB News

(英エコノミスト誌 2018年6月16日号)

中国は航空会社のウエブサイトで台湾を叩いているが、米国は文字通りブリックとモルタルで台湾との同盟を強化している。

 ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の独裁者、金正恩(キム・ジョンウン)氏との首脳会談が鳴り物入りで行われていたことから、同じ日に台湾の台北で行われた、米国の大使館に相当する機関の新庁舎落成式がメディアの見出しを独占する見込みは、かなわなかった。

 しかし、中国政府高官が米国の外交官や連邦議会議員らに接触し、落成式に誰が出席するかをめぐって抗議してきたことから判断するに、中国は台湾における米国の行動について、朝鮮半島での地政学的なライバル関係と同じくらい(ひょっとしたらそれ以上に)細かなところまで気にしているようだ。

 米国が中国と国交を開くために台湾との外交関係を断った1979年以降、「一つの中国」政策が中国に対応するときの基本原則になってきた。

 これはすなわち、台湾を国とは呼ばないこと、そして、その定義については合意ができていないとしても、世界には中国は一つしか存在しないという考え方に中国、台湾双方が従っていることを常に「認める」ことを意味した。

 このごまかしのおかげで、米国は台湾と非公式ながらも親しい関係を享受できてきた。

 米国在台湾協会(AIT)という名称で知られる非公式な窓口が台北に存在することについて、中国が気にしているそぶりを見せることはめったになかった。