中国軍幹部、南シナ海軍事化は「国防のため」 「無責任」な批判に反論

シンガポールで開催のアジア安全保障会議に出席した中国人民解放軍軍事科学院の何雷副院長(左)。中国による南シナ海の軍事拠点化は「国防のため」だと述べた。(2018年6月2日撮影)。(c)AFP PHOTO / ROSLAN RAHMAN〔AFPBB News

 シンガポールでの米朝首脳会談の結果、アメリカによる北朝鮮への予防戦争発動は、当面の間は停止されることになった。

 トランプ政権は、朝鮮半島の非核化には少なくとも2年半以上の時間が必要と考えている(米軍関係者や専門家は完全な非核化には10年かかると見積もる人々も少なくない)。したがって少なくともその間は、そして北朝鮮による新たな核兵器開発が明るみに出ない限りは、アメリカによる北朝鮮に対する軍事攻撃の可能性はなくなったと考えられる。

遠のいた日本に対する弾道ミサイル攻撃

 アメリカによる北朝鮮に対する予防戦争(本コラム「米国の『予防戦争』発動間近、決断を迫られる日本」「迫りつつある北朝鮮攻撃のレッドライン」など参照)発動が当面の間は遠のいたという状況は、北朝鮮が日本に対して弾道ミサイル攻撃を仕掛ける可能性も減少したことを意味する。

 なぜならば、日本が拉致被害者奪還を口実にして北朝鮮に対する軍事攻撃をちらつかせたり先制攻撃を仕掛けでもしない限り、北朝鮮が日本に対して弾道ミサイルを発射するきっかけとなるのは、アメリカによる対北朝鮮軍事攻撃だけだからである。その場合には、アメリカの同盟国である日本に対する報復攻撃として、北朝鮮から多数の弾道ミサイルが撃ち込まれることになる。

 トランプ政権は、朝鮮半島の完全なる非核化を、予防戦争ではなく米朝直接交渉を中心とした外交交渉によって達成する方針に舵を切った。その方針が維持される限りは、日本に対して北朝鮮の弾道ミサイルが撃ち込まれる可能性はほとんどなくなったと言ってよい。