戦後の栄養不足を救ってきた油で揚げた「ごちそう」

「栄養と料理カード」でたどる昭和レシピ(6)天ぷら

2018.06.22(Fri) 三保谷 智子
筆者プロフィール&コラム概要

衣は揚げる直前に、冷水で溶く――昭和46年

1971(昭和46)年8月号。エビ、キス、イカ、アナゴの4種が入ったごちそう天ぷら。
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 時代は下って約20年経ち、1971(昭和46)年8月号。すでにカードは厚紙のカラーになっており、ここで天ぷらが登場する。

 カードを見つつ、天ぷらのコツを挙げてみよう。材料は水けをよく拭き取る。衣は揚げる直前に冷水で溶く。衣は、小麦粉1カップ強と卵と冷水を合わせたもの1カップと、容量で1:1の割合がよい。1回に作る量は小麦粉1カップ分までにし、作りすぎない。ボールに卵を割りほぐして冷水を加え混ぜ、ふるった小麦粉を一度に入れて数回さっくりと混ぜ合わせる。白い粉に、だまが少し残っている程度でよく、練ると粘りが出てきてべたつく。

 揚げる温度は180℃前後(衣を箸の先から落として瞬時に浮き上がってくる状態)が適温。魚から先に揚げる。たねは油の表面積の半分以上は入れないくらいを目安にし、途中で一度裏返して全体で1~2分揚げ、油をよく切ってバットに並べる。揚げかすは、まめにすくい取る。

 次に野菜。野菜は中まで火が通りにくいものもあるので、やや時間をかけて揚げる。魚は180~190℃で1分、野菜は170~180℃で1~2分揚げる。

 天つゆは、だし:しょうゆ:みりん=3:1:1の割合。だしにみりんとしょうゆを合わせて、さっと煮立てる。

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三保谷智子(みほやともこ)

栄養と料理』元編集長。2011年4月から香川昇三・綾記念展示室勤務。学芸員。

東京都出身。1977年立教大学文学部史学科卒業後、香川栄養専門学校栄養士科(現 香川調理製菓専門学校)へ進学、「栄養士」の資格を取得。その後、1979年女子栄養大学出版部雑誌編集課に入職、約30年『栄養と料理』の編集に携わる。1988年より2011年まで、10年間編集長を務める。途中、同部マーケティング課、書籍編集課に在席。

独立行政法人国立健康・栄養研究所外部評価委員。「食生活ジャーナリストの会」会員、NPO法人「野菜と文化のフォーラム」会員、NPO法人「くらしとバイオプラザ21」理事。現在、『栄養と料理』で連載「レシピの変遷シリーズ」を執筆中。


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