(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年6月15日付)

北との対立は「概ね解消」 トランプ氏、金正恩氏をまた称賛

ドナルド・トランプ米大統領(2018年6月8日撮影)。(c)AFP PHOTO / NICHOLAS KAMM〔AFPBB News

 ドナルド・トランプ米大統領にとっては大した1週間だった。カナダで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議では、ルールに基づく国際秩序を拒み、貿易問題について癇癪を起こした。

 12日火曜日にはシンガポールで、北朝鮮の指導者、金正恩(キム・ジョンウン)氏と注目の首脳会談に臨み、東アジアの同盟国に対する長年の安全保障を放棄しかけた。

 欧州と東アジアの安全は過去70年間にわたり、米国の同盟システムにより保証されてきた。トランプ氏はこれを解体するつもりでいる。

 カナダへの見方を変えて敵国と見なしてから、核兵器を最近手にした残忍な独裁者を新たな友人として受け入れる――。

 こんなことをするには、この大統領にとっても特別な才能が必要だ。トランプ氏を普通の物差しで評価してはいけないということを、我々は肝に銘じる必要がある。

 一連の行動がそれこそ背筋が寒くなるほど重要であるのは、これらによってトランプ氏の意図が明確になっているためだ。

 トランプ大統領が国際社会のリーダーの座から一段降りたのを見て、中国とロシアは大喜びしている。今回のシンガポールでの首脳会談には参加していないものの、中国の習近平国家主席は大きな勝利を収めた。

 トランプ氏の思い描く、誰もが自ら身を守らなければならない世界では、中国が米国に代わって東アジアの傑出した大国になっていく。