(英エコノミスト誌 2018年6月9日号)

ミネイロンの惨劇とドイツの4回目の戴冠―2014年ブラジル大会

2014年サッカーW杯ブラジル大会は、ドイツの通算4回目の優勝で幕を閉じた(2014年7月13日撮影。資料写真)。(c)AFP PHOTO / FABRICE COFFRINI〔AFPBB News

そして優勝を目指す国は何をすべきか、本誌にはアイデアがある。

 「フットボール(サッカー)は単純なゲームだ」

 かつてイングランド代表チームの主将を務めたゲーリー・リネカー氏はそう語った。

 「1つのボールを22人で90分間追いかける。すると、最後には必ずドイツが勝つんだ」

 それにもかかわらず、6月14日にロシアで始まるサッカー・ワールドカップ(W杯)には、数十億人のファンが自らの希望を託すことだろう。母国が予選を突破できなかったとしても、多くの人が観戦する。

 バングラデシュの人々はW杯を熱心に追いかけている。あちこちに国旗を掲げ、興ざめな当局者から旗を降ろすように言われてもお構いなしだ。

 もっとも、掲げているのはアルゼンチンやブラジルの旗だ。何しろバングラデシュの代表チームのランクは世界207カ国中197位で、W杯の本大会に駒を進めたことは一度もない。

 本誌エコノミストも大会の開幕を楽しみにしている。本社を構えている国に優勝のチャンスがかなりあると思っているからではない(我々はそこまで非合理的ではない)。

 信じられないほど高い運動能力、ドラマ、そして勇気によって、このゲームが芸術の域にまで高められることがあるからだ。