この食事の方法で認知機能低下リスクは4割減少する

科学研究から見る、食と脳・こころ(後篇)

2018.06.15(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

大塚 実際の協力者の記録にもとづいた、ある1日の食事例を示します(イラスト参照)。

食事多様性指標が低い群、やや高い群、高い群それぞれに該当する人における、ある1日の食事例。実際の調査では3日分の食事内容を記録。(図版提供:国立長寿医療研究センターNILS-LSA活用研究室)
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 食事多様性指標のスコアが「低い」人の食事例は、朝食にメロンパンとアイスコーヒー、昼食にレトルトのカレーライスと緑茶、夕食に焼きそばとビールといったものでした。

 一方、スコアが「やや高い」人の例では、朝食からトースト、揚げドーナツ、ゆで卵、桃、トマトジュース、牛乳、コーヒーとかなり多様です。また、昼食や夕食も同様に多様です。

 スコアが「高い」人の例を見てみると、「やや高い人」とほぼ変わらないように見えます。でも、たとえばサラダや汁物をとってみても、食事ごとにそれぞれで食材を変えているなどしており、多様性に富んでいます。

――この結果から、どんな人がどんなことを心がければよいでしょうか?

大塚 スコアが「低い」人が、そこから脱出することが重要な意味をもちます。少しでもスコアの「高い」のほうへ近づくことが望ましいということです。

 ご自身の食事を見つめて、摂取できていないと思える食品群の食材を足していくことで、少しでも多様性の高い食生活に近づけるようになります。

「手のかかる食事」が効果的な可能性も

――食品摂取の多様性が高いほど、認知機能低下リスクを抑えられるのは、どうしてなのでしょうか?

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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食の安全に対して国民の関心が高まっている。今後、安全で美味しい食の供給国としての日本を考えた時にもこの問題は重要になる。食の安全の話題を中心に、食トレンド、食品マーケットなど、食にまつわる様々なテーマを取り上げる。