(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年6月11日付)

トランプ氏と金正恩が会場へ 史上初の米朝首脳会談、間もなく開始

ドナルド・トランプ米大統領(2018年6月11日撮影)と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長(同10日撮影)。(c)AFP PHOTO / SAUL LOEB AND ROSLAN RAHMAN〔AFPBB News

 小さく、貧しく、孤立した国、北朝鮮の指導者である金正恩(キム・ジョンウン)氏にとって、アメリカ合衆国大統領との一対一の首脳会談に参加することは、とてつもなく光栄なことだ。

 伝統的に、歴史をつくるサミットは大国の指導者の間で行われ、戦争と平和の問題に対処してきた。20世紀には、いくつかのサミットが歴史の流れを変えた。

 それぞれのサミットに、それぞれの教訓が込められている。

1938年のミュンヘン会談

 ドイツのアドルフ・ヒトラーと英国のネヴィル・チェンバレン、イタリアのベニート・ムッソリーニ、フランスのエドゥアール・ダラディエの4人で開催されたサミットは、ナチズムに対する宥和政策の失敗の極みを告げた場面として悪名をはせるようになった。

 チェンバレンは、のちに無価値であることが判明する将来の平和の確約の見返りに、チェコ領を明け渡した。今日に至るまで、「ミュンヘン」という言葉は、目先のことしか考えない弱さの代名詞となっている。

 しかし、あの当時は、ミュンヘン会談は英国内の多くの人から勝利と見なされていた。チェンバレンはロンドンで喝采する群衆に迎えられたし、帰途に着く前のミュンヘンでも拍手を浴びていた。