魚竜の化石。「進化」とは一直線に前進していくことではない(写真はイメージ)

 物理学、生物学、化学など自然界に存在している様々な法則性、「理(ことわり)」を明らかにする自然科学。ガリレオ・ガリレイ、アインシュタインなど誰もが知っている偉人から名もなき科学者まで、多くの先達の努力によって様々な知見が蓄積され、今も日進月歩で研究が進み続けています。

 この自然科学の知見から人と組織が織りなすマネジメントの世界を見てみることで、本質的なマネジメントの「理(ことわり)」が見えてくることがあります。

 21世紀は知の融合の時代です。アップルのティム・クックを挙げるまでもなく、アメリカの巨大企業のCEOは多くが理系出身です。「経営は文系的な分野」と決めてかかっている日本の経営者・マネージャーが見逃している視点が多くあるのではないでしょうか。

「自然科学に学ぶマネジメントの「理(ことわり)」」では、物理学、生物学、大脳生理学などの自然科学の知見をご紹介しながら、マネジメントの「理(ことわり)」を探求していきます。

◎(その1)「『働かない働きアリ』が組織に必要な深いワケ」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52640

進化とは、進むことではない

 今回のテーマは、「進化論×イノベーション」です。

 みなさんも中学校の理科の時間などに進化論を学ばれたのではないでしょうか。「(生物は)原初の単純な形態から次第に現在の形に変化したという自然観(大辞林より)」というものです。

 進化と聞くと、下の図のように猿が人間になっていく絵をイメージされる方も多いかと思います。日本語の「進む」という語感もあり、一直線に前進していくような感じがしますよね。