しかし当時、画期的と見なされた同ガイドラインには、問題点が多い。最大の問題は、「誰に向けて、なぜ、このような情報を公開しているのか」という視点が、多くの製薬企業において欠けていることである。

 実は、一般の人が医師の支払い情報にアクセスすることを難しくするために、製薬企業は様々な「創意工夫」を凝らしている。

 多くの企業が、薬剤を使用する国民ではなく自らの取引相手であり薬剤の処方権限を持っている医者の方を向いて仕事をしている。このため、どうしても情報公開に後ろ向きにならざるを得ないのだ。

 それぞれの製薬企業が医師への支払い情報を公開しているウエブページには、製薬協の以下のウエブページ(http://www.jpma.or.jp/tomeisei/guideline/2016.html)から飛ぶことができる。

望む情報になかなかたどり着けない日本

 しかし、望む情報に辿りつくのは決して容易ではない。具体的な例として、第一三共について説明したい。

 同社は、2016年度の国内医療用医薬品売上額が第1位であった日本を代表する製薬企業である。また、製薬協のガイドラインの中で医師への謝礼に該当するC項目「原稿執筆料等」の支払い額は20.2億円に達し、同年の1位であった。

 以下のURLをクリックいただければ、第一三共の情報公開ページに進むことができる。

https://www.daiichisankyo.co.jp/corporate/csr/toumeisei/houshin/2012.html

 「医療機関等への支払いについて」というページの一番下に、目立たないように存在する「企業活動と医療機関等への資金提供に関する情報」というアイコンを押すと、目的とするページに進むことができる。

 そこには驚くべき文言が並ぶ。以下、実際の言葉を引用する。