スーパーのレジで言えば、おつりの計算を自分で確めないのと同じで、要するに危なっかしい、頭が働いていない。

 ポストトゥルースの何のというのは、すべてこういう小さなことから腐敗・空洞化していくと思いますので、今回はこの51%攻撃について、普通にお話してみます。

 実はこの攻撃が起きるのと前後して、教養学部の暗号通貨の講義で扱った内容だったので、結果的に履修学生諸君には正確に理解してもらうことができました。

マイニングとブロックチェーン

 限られた紙幅、また予備知識を前提にできない、この連載の制約から、ひとまず「暗号通貨」のシステムには、互いに平等な権利を持つ多数の参加者が関わることを、前提にしておきましょう。

 平等なネットワークをP2P、ピア・トゥーピア・ネットワークと呼びます。

 あえて言うなら、古代ギリシャの都市国家「ポリス」における直接民主制に近いシステムが、暗号通貨のシステムでは成立しているのです。

 そこでは、善意をもって投票する市民によって公正な取引が承認されることで、安定して持続的な経済が成立するように設計されています。

 より具体的に記すなら、ビットコインなどの暗号通貨システムでは、この「市民」参加者たちが「暗号解読競争」のスピードを競います。人よりも早く、与えられた問題を解いた人に、報酬としてコインが付与されます。

 この競争を「採掘」マイニング、またそこで見つける「金塊」のようなターゲットを「ブロック」と呼び、ブロックは仮想通貨の取引台帳で、これが公正なものであるという保証を与えることを「プルーフ・オブ・ワーク」(仕事の検証とでも訳せばよいでしょうか)と呼んでいます。

 こうした内容を次節でもう一度、少し形を変えて記すようにしてみます。