ドイツは懸念すべきだ。この連邦共和国は、現状維持を望む国家として繁栄してきた。大西洋をまたぐ強固な同盟関係と、団結したEUが防波堤になったことで、本質的に受け身な外交政策を取ることができた。

 露骨な表現を使わせてもらえるなら、ドイツは「専らもらう」国だ。国の安定を近隣諸国や同盟国から輸入してきた国なのだ。

 米国がリーダーシップを発揮することをトランプ氏が拒否している様子は、EU内部が明らかに分裂していることと重なって見える。

 ドイツ政府は、利益を手放したくないのであれば、自らが頼りにしているルールと構造の見直しに積極的な貢献を行う必要がある。何もしないことにこそリスクがある。

 メルケル氏は先日、フランクフルター・アルゲマイネ紙日曜版のインタビューで、この新しい責任を認識している様子を垣間見せた。

 首相の発言を読む限り、ユーロ圏改革のスピードはともかく、その方向性については、ドイツとフランスは多くの人々の予想よりも近い立場にあるかもしれない。しかし、これもスタートにしかなり得ない。

 ドイツには、イタリアを救うことはできない。しかし、望むのであれば、EUを敵としてではなく味方として作り直す力は持っている。

 もちろん、どうしてその費用を我々が負担しなければならないのかという声は、ドイツ政府の中にも常にある。

 ただ、その答えは簡単だ。そうすることがドイツ自身の国益にかなうのだ。

By Philip Stephens
 
© The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.