(英エコノミスト誌 2018年6月2日号)

「不穏分子」を毎日訪問、中国・新疆ウイグル自治区でさらなる弾圧

中国・新疆ウイグル自治区ホータン市にある村で、パトロールをする警察官(2018年2月17日撮影)。(c)AFP PHOTO / BEN DOOLEY〔AFPBB News

国家が情報をかつてないほど大量に、かつ容易に収集できる時代になった。そのリスクを甘く見てはいけない。

 彼らはあなたを見ている。徒歩で出勤すれば、街中に設置された監視カメラがその様子を録画し、最近ではあなたの顔も認識するようになっている。

 郊外にドライブに出かければ、ナンバープレートを読み取るカメラが道程をとらえている。ポケットの中のスマートフォンは、デジタルの足跡を絶えず残していく。

 自宅で密かにネットワーフィンをしているつもりでも、その行動は記録され、分析されている。得られたデータを処理すれば、あなたの暮らしを1分刻みで綴った記録を作ることも可能だ。

 中国政府のような権威主義の政府の下では、デジタル監視の技術によって、意地の悪い警察国家が何でも知っている空恐ろしい警察国家に変わりつつある。

 特に西部の新疆ウイグル自治区では、中国政府が人工知能(AI)の技術と大衆監視によって21世紀版のパノプティコン(注1=少数の看守が多数の囚人を効率的に監視できる建物の構造のこと。転じて、少数の権力者が多数の個人を効率的に監視する仕組みを意味することもある)を作り、チュルク語系の言語を話す数百万人のイスラム教徒の少数民族・ウイグル人に対して完全統制を敷いている。

 西側の民主主義国では、警察と諜報機関が犯罪の解決・抑止やテロの防止のために同じ監視ツールを使っている。成果は上がっているが、かなり不安になる話でもある。

 自由と抑圧の中間にあるのは、果たしてどんなものだろうか。