人は自分の根幹に響くことを最初に言われると聞く耳を持ちますが、最初に「大した話ではない」と思ったら、最後にどんな素晴らしい結論が用意されていても真剣に聞こうとしません。なので、最初に琴線に触れる言葉でハッとさせることに精力を注ぎましょう。そして、「私はあなたの味方です」というスタンスを毛穴から噴き出すくらい強く込めることです。味方の提案だと思ってくれれば、どんなに耳の痛いことでも意外と素直に聞いてもらえるものです。

 相手の「欲」は、普段の言動やコミュニケーションスタイルの中に隠れています。相手のコミュニケーションタイプに応じて、どんな言葉が効果的かが決まってきます(下の図:上司のコミュニケーションタイプと「動かす一言」)。

上司のコミュニケーションタイプと「動かす一言」

 その際に大事なのは、相手の欲を刺激しつつ、自分の私利私欲では動かないことです。「会社のためであり、あなたのためである」というスタンスが前提です。下心を持たず、相手のためを本当に考え、味方として得になることをしてくれる人だと思われれば、「その人のためなら」と人が集まり、協力してくれることでしょう。